1965年上演作品

上演履歴一覧


第二十回芸術祭参加公演

サド侯爵夫人 三幕
ー澁澤龍彦著「サド侯爵の生涯」によるー

6月18日(火) ─ 30日(水)

紀伊国屋ホール

作 :三島由紀夫
演出:松浦竹夫

もっとも純粋な愛と、
もっとも恐ろしい悪徳と、
もっとも優雅な心と、
もっとも血みどろな性愛と、
その矛盾と衝突のうちに、美と神聖の化身となる、 サド侯爵夫人の激しい生涯

Story


<第1幕> 1772年、パリではサド侯爵の醜聞が取沙汰されていた。娘ルネを王家につながるサド家に嫁がせたモントルイユ夫人は、娘の名誉や家名を守るべく、シミアーヌ男爵夫人、サン・フォン伯爵夫人に助力を懇願する。母のこうした尽力にルネは感謝するが、夫にあくまでも従う決意をしている。夫が悪徳の怪物なら、自分も貞淑の怪物にならなければ……。母は娘の健気さに心を動かされるが、しかし折柄訪ねて来たアンヌの口から、姉の暗黙の了解のうちに、義兄サドとイタリー旅行をしてきたと聞かされて逆上する。
<第2幕> 6年後、ルネの前にサド釈放を告げる判決書が手渡される。ルネは小躍りして母に感謝する。しかし、それは、母の罠だった。サン・フォン伯爵夫人はルネに同情しながら、事実を暴露する。再び母と娘は対立する。母は、娘がサドの生贄としてみだらな宴に参加した非を激しく責める。だが、ルネはサドこそ真実を追究するものであると反発し、昂然と言い放つ。───アルフォンスは私だったのです!
母と子の対立、ルネの奔走の間にも時代は激しく揺れ動いていた。血と怒りの大革命が勃発した。倫理は転覆し、混乱と秩序がつづいた。1790年、フランス革命も小休止した頃、ルネの念願だったサド放免が決定した。しかし、家政婦シャルロットがそのサドの帰還を取り次いだとき、ルネはサドを追い返してしまうのである。

サド侯爵夫人

Cast


  • サド侯爵夫人ルネ
    丹阿弥谷津子
  • モントルイユ夫人(母)
    南 美江
  • アンヌ(ルネの妹)
    村松英子
  • サン・フォン伯爵夫人
    真咲美岐
  • シミアーヌ男爵夫人
    賀原夏子
  • 家政婦シャルロット
    宮内順子

Staff



  • 三島由紀夫
  • 演出
    松浦竹夫
  • 美術
    秋山 正
  • 照明
    穴沢喜美男
  • 衣裳考証
    うらべ・まこと
  • 衣裳デザイン・製作
    河本昭郎
  • 帽子製作
    西塚庫男〈サロン・ド・シャポー学院〉
  • 髪型デザイン
    名和好子
  • 舞台監督
    寺崎嘉浩
  • 髪型デザイン
    名和好子
  • 制作
    金子信雄
  • 大道具
    金井大道具株式会社
  • 小道具
    高津装飾美術株式会社
  • かつら製作
    細野かつら店
  • 衣装生地協賛
    東洋レーヨン
  • 衣裳協賛提供
    文化服装学院
  • 製作
    演劇者集団 NLT